世界各国から69ギャラリーが出展、40の国・地域から来場者を数えるアートフェア、第2回Tokyo Gendaiが、2024年7月5日から7日(VIP Previewは7月4日)までパシフィコ横浜で開催された。 前年比で好調なセールスを記録し、名実ともに日本における「ワールドクラスの現代アートフェア」としての評価を固めた。
2024年7月に東京進出を果たしたPace Gallery(New York)は、Robert Longoの新作ドローイングの個展ブースを出展して完売。ほぼすべての作品が日本のコレクターの手に渡り、9万米ドル~75万米ドルの価格で販売するなど、好調な売上を記録した。
今回初出展の海外勢Gallery Rosenfeld(London)やGallery Nosco(Brussels)は、日本のコレクターに作品を販売でき、東京での今後のプロジェクトやコラボレーションについて話す機会にもなったという。Tokyo Gendaiが、ギャラリーとコレクター、そして国際的なアートコミュニティをつなぎ、日本の現代アートのハブとしてのポテンシャルを引き出した結果と言っても過言ではないであろう。
まず、世界のトップ・ギャラリーを招聘できた要因の1つは、Tokyo Gendaiが、開催会場全体を保税地域として使用する許可を取得したことが挙げられる(第1回Tokyo Gendaiも許可を取得)。フェア開催期間は、会場であるパシフィコ横浜が保税展示場となるため、海外からの出展者は関税等を留保した形で美術品を持ち込み、展示することが可能となる。これは、海外ギャラリー及び関係者の日本市場参入へのアクセスの大幅な改善につながり、美術品取引における大きな機会創出となった。
次に、日本が誇る最高クラスのアートや文化にスポットライトを当てた、質の高いVIPプログラムの充実がある。このことにより、世界各地からフェアに来訪したコレクターや主要な現代アートの関係者の満足度を高めることにつながったことも成功の一因だ。
東京で開催中の展覧会、アーティゾン美術館「ブランクーシ 本質を象る」、森美術館「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」、東京国立博物館「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」などの鑑賞プログラムをはじめ、横浜美術館でのオープニング・パーティーや、清春芸術村やポーラ美術館、江之浦測候所、作家・浜名一憲のアトリエ訪問など、地方のアートシーンを探訪するツアーも海外からの参加者らに提供された。
Tokyo Gendai 共同創設者 Magnus Renfrew(マグナス・レンフリュー)が、「日本がグローバルなアート市場でより大きな役割を果たすポテンシャルがあるという意見が共通認識としてある中、東京の素晴らしいアートシーンにスポットライトを当て、日本と世界のアート界を繋ぐ重要な役割を担えることを光栄に思います」とコメントしている通り、日本のアートコミュニティや海外のコレクター双方から高い反響があった。
日本がアートの国際発信拠点かつアート・文化デスティネーションとして地位を築き、さらなる成長を遂げるためにも、アートフェアの成功には大きな期待がかかる。急成長をとげつつあるTokyoGendaiは、今後も要注目だ。
*第3回は、2025年9月12日(金)~14日(日)にパシフィコ横浜での開催が決定。
OVERVIEW
第2回 Tokyo Gendai | 2024. 7. 5 – 7(VIP Preview & Vernissage 2024. 7. 4) Tokyo Gendai